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変光星を楽しんで ~四季桜 純米酒 とちぎの星~
2023.05.28更新
華やかに駆け抜ける名酒~簸上清酒_七冠馬~
八角形の頂点を削った七角の馬蹄のラベル。恥ずかしながら競技馬術に詳しくないのですが、【七冠馬】の筆跡から、力強くも軽やかに走り抜けている品格を感じます。どんなお味か私も胸が高鳴っております。
冷蔵庫から出して30分。
室温に戻ってきたところで開栓すると、奥ゆかしくブドウの香りが立ってきます。口に含むとトロピカル!マンゴーやパパイヤを彷彿とさせる温かみのある甘さが優しく出迎えてくれます。
奥行きのある穏やかな酸味も程よく、柿の渋みを思わせる後味がしっかり手綱を引いているよう。単品でも食中酒でも活躍する予感。
ならば熱燗も美味しいはずです。55℃ほどまで温めると、ナッツ感のある芳ばしい香りが漂います。びわを齧ったような甘さを伴うまろやかな酸味。旨味もコクと軽やかさのバランスが良く、じんわり続く味のふくらみに思わず盃が進みます。
40℃くらいまで燗冷ましにすると、味わいは華やかな酸味を帯びた辛口に。香りは柑橘系とキンモクセイの中間のような温かみのある甘い香りへ移ろいます。
室温帯で感じた柿の渋み感はほぼ感じず、トロピカルな酸味を楽しめます。マンゴー、パパイヤ、びわ、パッションフルーツ…南国の青果が並ぶ市場に立っているかのような雰囲気。
仕込まれているお水が滑らかな水質だからでしょうか。
ほのかにトロピカルな甘み、お米の旨味、華やかな酸味がはじけすぎずにきちんと整っている絶妙さ。吟醸酒を燗付けした後の燗冷ましは酸味が鋭くなるイメージですが、角を感じることなく穏やかにまとまっています。
ところで、甘酸っぱいイメージで出されることが多い「女子のための日本酒」ですが、私が知り合った日本酒女子たちは「淡麗辛口派」が多いのです。この記事を何かのご縁で見てくださっている日本酒女子の皆様。このお酒お試しあれ。