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【よもやまばなし】ひやおろしの時季のはなし。
2022.11.06更新
【よもやまばなし】アッサンブラージュのはなし。
アッサンブラージュとは
近年、日本酒において「アッサンブラージュ」という言葉をちらほら見聞きするようになった。
アッサンブラージュとはもともとワイン用語で、平たく言えばブレンドを意味する。
品種や年度によって異なる特徴を持つワイン同士を複数調合し、それぞれの特徴を活かしながら立体的な1本を導き出す。
私はワインについては不案内なので突かれたくないのだが、ラベル(エチケットというのか)に特定のブドウ品種の記載がないものはアッサンブラージュと思っていいらしい。
日本酒においては現在でこそ小仕込みで数量限定の単一タンク品も多いが、もとはといえばブレンドが基本。
ワインとは違い、「ずっと変わらない味」を求められる日本酒(とりわけレギュラー酒)は複数本仕込んだタンクを絶妙にブレンドして出荷される。
ではなぜ敢えてブレンドと区別してアッサンブラージュと呼び始めたのか。
ブレンドとの違い
どちらかといえば消極的な、香味の補正を目的とした日本酒従来のブレンド。
対してアッサンブラージュは、全く異なる特徴の酒を掛け合わせることで新たな1本を生み出すことに重きがある。
ときには複数の蔵の酒を合わせることもある。
この酒とこの酒を合わせたからこうなるんです、すごいでしょ!と公言してなんぼなのがアッサンブラ―ジュ。
続々と挑戦の狼煙が上がっている。
自分でやってもいいのよ
アッサンブラージュなどと高尚な響きから製造元や業界の人しかやるべきではないのではないかという気もするが、そんなことはない。
個人で楽しんだって大いに結構だ。
若気の至りでファミレスのドリンクバーで闇のジュースを作っていた負の記憶が深層心理でストップを掛けるのかもしれないが、それとは真逆に気高きことに挑戦するのだから心配無用。
それぞれの特徴をどう活かし、ときに打ち消して自分にとっての理想酒を生み出すか。
違いがわかる大人の戯れに。
醸造方法だけでは生まれ得ない味わいは無限大に存在する。
日本酒にとっても新たなるスタンダードとなるか、アッサンブラージュ。
今後の動向に注目されたし。