-
【蔵元訪問記】蔵元訪問記/天鷹酒造(栃木県)
2024.10.29更新
【蔵元訪問記】笹祝酒造
「キャンディクラシコ」新発売!!
まるでキャンディのような超甘口純米酒! 発売開始は2023年7月より!
SNSに走った衝撃!!「かわいい♡」とイイネ!の嵐。いまだかつて、こんなにキュートな日本酒があったろうか。「やりすぎ!」くらいが丁度いいと語る笹祝酒造の蔵元・笹口亮介氏。取材に伺ったときは、面白いお酒を搾りました、と目を輝かせていた。それがこの「キャンディクラシコ」!
確かに面白い!!
麹体験から、塩麹作り、酒粕料理教室なども予定
●今笹祝酒造の蔵開きのお忙しい中、お話いただきありがとうございます。「麹の教室」をグランドオープンすると伺いました。「こどもが楽しめる酒蔵」を目指し、笹口蔵元が作った施設、ということですね。
今、日本酒を飲める人はごくごくひとにぎりです。未成年はもちろん駄目で、車の運転をしていたり、授乳中だったりと、いろんな事情で酒を飲める状況が少ない。さらに日本酒を飲む機会はもっと少ない。自宅に日本酒があるのは稀有。
生活圏から日本酒が遠くなっているのが気になり、まずは日本酒を1本自宅に置いてもらうにはどうすればいいのか。家族で酒蔵に来てもらう、というのが必要なんじゃないかなと。
菌について学べて、親が連れて行きたいところに酒蔵がなったとしたら、あんまり普段飲まないお父さんお母さんが初めてお酒買っていくかもしれないし、小さい頃に蔵に親しんでもらって、大人になったときに飲みに来てくれればいいなと考えました。
麹体験から、塩麹作りのワークショップや、酒粕料理教室なども予定してます。麹甘酒などのノンアルコール類についての企画もあります。
●3歳のお子さんが麹米をかき回していましたね。大勢のお客様が蔵の内外で笹祝のお酒を楽しそうに飲んでいらっしゃいますが、蔵開きは久しぶりですか?
蔵を改装して、僕が蔵へ帰ってきて3年目に蔵開きを初めて開催しました。3年くらいやった後にコロナでお休み。
笹祝酒造は、蔵開きするのに向いている蔵です。うちは街道沿いにあり、創業時からの建物をずっと残していて、さらに野外も使える広いスペースがある。3000坪はあります。
新潟市は80万人の都市ですが、今日は新潟のいろんな所からいらしてくださってます。クリエーターが集まって、新潟市の地元を盛り上げようという「ペンタゴン」というチームの協力もあり、コーヒー店や古着店などの屋台を入れることができました。回数を増やしていけばもっと来客は増えるはずです。
お客様に酒蔵に来ていただくような働きかけ
●若い方が喜ぶコンテンツ満載で、これらは社長の発想で進められている。笹口蔵元は現在39歳、社長に就任されて4年ですね。
大学を卒業して業務卸しの酒販店に就職して29歳で蔵に戻り、清酒学校に3年通いながら、今の杜氏に教わって酒造りを経験し、4年前に社長に就任しました。この4年は決して楽ではなかった。大変なご時世ですし、その中でできることを探していって、それが後に繋がればいいなと考えました。
●販促についてはどのように?
うちの酒は9割が地元で1割が首都圏中心に新潟県外ですが、私が外に出て営業するのでなく、お客様にぜひうちの酒蔵に来てくださるような働きかけをしています。これから新しい人をどうやって呼んでくるか。
酒蔵には楽しんでもらうところはたくさんあるので、来ていただいて、そのご縁を繋げたい。うちから遠くへいくほど、ファンづくりは難しいと思っているんですよ。
酒蔵を使い尽くす夢
●2019年醸造より、原料米は全量新潟市産での製造に移行されましたね。
「亀の尾」「越淡麗」「五百万石」「雪の精」「越いぶき」「コシヒカリ」を使用しています。特に「亀の尾」は笹祝近隣のそら野ファームに特別栽培をお願いしています。こういう体制になって3期目の造りとなりました。「山田錦」はいい米だと思いますが、地元の米に拘る価値はあります。
新潟に、ミシュランで星をとる寿司屋があるんですが、ここではまぐろを置かないんですよ。近海の地物だけで、いいものができる自信を持っているからと。こういう発想ですよね。今ある米で、自分たちが美味しいと思える酒を造った、という実感があれば大丈夫です。
●蔵元としての夢は?
「酒蔵を使い尽くす」です。例えば、昔蔵人が住んでいた部屋が空いたままです。空いたままのスペースが酒蔵の中にあちらこちらあります。なかなか使いきれてないところがあるんで、民泊などの施設も視野に入れながら、ちょっとずつ使えるところを増やしていきたいです。
●笹祝challenge brewとは?
そう、面白いお酒を搾りました!7月に発売する新しい酒です。笹祝challenge brewの第六弾(陸ノ巻)となる酒です。
笹祝challenge brewとは皆を巻き込み造る酒です。酒蔵、酒屋、飲食店、消費者。皆を巻き込んで、一から始める笹祝の挑戦醸造です。どんな日本酒を造るかの企画会議から始まり、醸造作業に携わり、お米がお酒に変化していく様子を共有しながら毎年一本のタンクにお酒を仕込みます。
第六弾(陸ノ巻)は「再醸仕込」という技法で醸した超甘口の純米酒です。発酵の過程ではリンゴ酸が多く発生し、ただ甘口なだけでなくキレの良さも感じられると思います。とにかく飛びぬけて甘いものを造って、これでさらに新しい市場を拓きたい!
最近2児のパパとなり、公私共に充実している笹口蔵元。飲み手としては、次なるチャレンジにワクワクが止まらない!
【笹祝酒造株式会社】
〒953-0015新潟県新潟市西蒲区松野尾3249 TEL.0256-72-3982