【香りに誘われて】 鮨スタンド 三六五 鮨スタンド 三六五

2022.04.27

 豊洲にある水産物仲卸「島津商店」の直営店と聞いただけで、魚の鮮度は保証されるというもの。それも「島津商店」は親子3代も続いている仲卸で、都内の数々の名店に卸しているという。毎日各地の港から、旬の魚がこの店にも運ばれる。

カウンターの中で本わさびをおろしていたのは、鮨職人歴50年の佐藤一義さん。彼の握る寿司を堪能する。お品書きにはコハダ(280円)から蝦夷馬糞ウニ990円(北海道標津)までが並ぶが、まずは本日のおすすめ5貫(1650円)からだろう。

白ミル(山口県仙崎)、スミイカ(千葉県富津)、ヒラメ(千葉県館山)、紅ズワイガニ(兵庫県香住)、サクラマス(青森県下北)が次々と握られて、産地を見ただけでも旅に出た気分なのだが、新鮮さにまた臨場感あり。紅ズワイガニがあまい。

醤油は?などと所望してはいけない、それぞれに上品な味が乗せられて、職人芸が光る。生姜だって、しっかりした存在感を放っている。

外は太陽がさんさんと照る昼間だけれど、やっぱり日本酒が欲しくなり、「超辛口吟醸 ばくれん」(亀の井酒造/山形県)、「七田 純米七割五分磨き 無濾過生」(天山酒造/佐賀県)、「切絵《春》新風純米 おりがらみ生酒 SEIRYO FLOWER」(成龍酒造/愛媛県)をセレクト。お酒単体で美味しい生酒が、鮨の味付けといずれもいいお友達になって仲良く喉元を通り過ぎる。

ふとカウンターを見ると、本マグロがきらきらしている。大間のほうまで行かなくても勝浦でいいのが採れる。まぐろの体温は高いからすぐ処理しなければならない、などの貴重なお話を佐藤さんから伺う。

オーダーして口にほおばれば、うわ~~程よく上品な脂が柔らかい。これは、「ばくれん」で決まり!カウンターのお隣さんは高級魚ノドグロの炙り(山口県下関)に箸をつけている。なんと肉厚。右に倣えで注文すれば、もう至福の瞬間。留まること知らず、ボタンエビ(北海道白老)、ホッキ(北海道別海)、コハダ(熊本天草)で、ご馳走様でした。

 老舗仲卸故に扱える豊洲の上質な魚を、職人の技でさらなる品格を添えていく。この味わいを、スタンドでリーズナブルに楽しめるなんと貴重な店だろうか。オーナーの島津修さんは「築地お魚くらぶ」を主宰し、アジ、イワシ、サンマなどの身近な魚を使って、さばき方だけではなく美味しく食べるためのコツを伝授している。

 今日は何が入るんだろうと、心躍らせられる「鮨スタンド 三六五。季節のお酒で弾みがつきそうだ。

<店舗情報>
住所:東京都千代田区外神田 3-6-5
営業時間:【月~金】ディナー:17:00~(L.O.21:30)ランチ:12:00~(L.O.14:30)【土】12:00~(L.O.14:30)定休日  日曜 定休日 : 日曜 (営業時間はご確認ください)

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