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「香りにさそわれて」 酒肴 心粋
2025.11.10更新
「香りにさそわれて」
「台湾見聞録」
お茶が一番のコミュニケーションツール
台湾ではお茶を飲む習慣が根付いていました。お茶を入れる所作に拘りがあるのは、日本の茶道と通ずるところがありますが、日本の茶道は一般の日常には残念ながら浸透してはいません。台湾はあちこちに台湾茶の店があり、それぞれ淹れ方や茶道具に拘りをもち、お茶を飲みながらコミュニケーションをとります。茶葉による淹れ方、抽出するまでの待ち方の違い等をも楽しんでいる様でした。

中国の商人が中国烏龍茶の苗木を台湾に持ちかえり、台湾北部で栽培を始めたのが「台湾茶」の起源とされていますが、台湾ならではの気候や高山地帯を利用した栽培で、独自に品種改良を繰り返し、今では数えきれないほどの種類があります。
とにかくあらゆる場所で台湾茶に出会うことができ、台湾茶のメニューも豊富です。茶葉の販売店では利き茶もできるので好みを探して購入がでたりもします。
まるで日本酒ですね。
台湾には飲酒習慣がない
ところが、お酒に関してはあまり関心がない模様。そもそも日常に飲酒習慣がないのです。お酒を飲むのは家族や友人との祝い事などのときに飲む程度で、食事と一緒に飲むという習慣はないのだとのこと。台湾人はアルコール代謝に必要な酵素が不足していて、アルコールで体調が悪くなることが多い、といった情報もあるぐらいです。
案内役をしてくれた詩敏さんに聞くと、まったくその通りで、お酒は普段料理にしか使わないのだ、ということです。


それでも台湾には米を原料とする醸造酒や蒸留酒があると知り、どこかで飲めないかと詩敏さんにお願いすると、素晴らしいお店を探してきてくれました。

台北にある「白水芳華」という店でおびただしい数の酒類が揃っていて、少量で利き酒をすることができます。

この店で最初に紹介された酒は「白水方華 甘泉生酒」で日本酒に似てるでしょと・・。丸いもち米を発酵させ、市販の麴を用いて、簡単な器具で軽く圧搾した醸造酒だそう。アルコール13%で軽く、パイナップルケーキのような風味がありました。先住民の友人とのやり取りから産まれた自然発酵の酒だということです。純米生酒に甘さを纏った感覚。

店主の唐惠桓さんは酒造りも行います。
もち米と梅を混ぜて醸造された甘泉梅酒 (アルコール11度)やマンゴーを加えた「甘泉芒果酒」(アルコール度数10度)は深みのあるそれぞれの原材料に由来する甘さが、まるでお菓子のよう。日本でも人気がでそうです。
日本の技術も生かされた「米酒」
その後次々とアルコール度数の異なる「米酒」(ミーチュウ)をご紹介いただきました。日本醸造協会の論文によると、「米酒」は日本からの技術も導入されているようです。台湾では主に料理酒に使われますが、愛飲家には、台湾産もち米玄米を原料にして、蒸留後に品質のよい部分だけをとった高品質の「米酒」が求められています。
こちらの店で紹介された「米酒」はどれも上質なものでした。

びっくりしたのは「山田錦」が堂々たる銘柄になっていました。アルコール度数50度と68度の蒸留酒で、台湾の花蓮県トヨタ村の農家が改善を試みながら栽培し、今年で3回目になる台湾産「山田錦」を使用。台湾では食用米が余り気味になり、他の用途の米の栽培を国から推奨されて作りはじめた。日本では米をたくさん磨くが、なるべく磨かないものを活かすのだと、唐惠桓さんが教えてくださいました。
これはいいお土産話ができるとアルコール度数50度を購入。
ジャスミンのような軽快な香りにポップコーンのような香ばしさ、親しみやすい飲み易さがあって「山田錦」の王様感は健在でした。
両国の歴史が酒に共存されていることを知り、学んだ時間となりました。
詩敏さんありがとう!



























