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「香りにさそわれて」旭川にて
2025.04.16更新
「香りにさそわれて」喜多方にて
喜多方ラーメン
喜多方の街にそびえる山々。その「飯豊連峰」(いいでれんぽう)は秋には雪景色になり、初夏まで雪を残し、雪解け水がゆっくりと大地へそそがれていく。喜多方の味噌・醤油・清酒の醸造業はこの伏流水を使い、かつては30蔵もの酒蔵が稼働していて、現在は11蔵元が歴史を引き継いでいる。「蔵」の街としても知られ、あちらこちらに立派な「蔵」が林立している。

喜多方ラーメンは全国的に知名度が高い。喜多方にはラーメン店が100件はある。喜多方ラーメンの麺は「平打ち熟成多加水麺」と呼ばれ、麺の幅が約4mmの太麺で、コシと独特の縮れがある。

スープは各店舗によって異なる。このスープも麺も飯豊連峰からの伏流水を使っていてラーメンの味わいに一役買っている。「らーめん一平」は朝7時から営業している人気店。とにかくさっぱりしていて朝ラーにも最適だ。二日酔いにはもってこい!
蔵の街
喜多方の中心市街地で伝統的建造物群保存地区である喜多方市小田付(おたづき)には、店、主屋、土蔵、附属屋 等を含めて193件の伝統的建造物がある。
「蔵をたてなきゃ一人前じゃないって昔は言われたんだよ」とみやげものやの女性に説明を受ける。喜多方には2千を超える「蔵」があるそうだ。

小田付蔵通り沿いの「小原酒造」の店舗の奥では酒造りが行われていて、酒造りの工程を写真で説明してくれる。店舗では、試飲もできて商品を購入できる。仕込み蔵にスピーカーを設置して酵母にモーツァルトを聴かせて造る酒はまろやかになるという。おみやげにちょうどいい「純米大吟醸 管弦楽 蔵粋 角200」を購入。

はす向かいに蕎麦屋(新金忠 そば処 縁)を発見して入ると、男性ひとりできりもりしていたが、次々と地元の人らしきお客さんが入ってくる。かき揚げと盛りそばを注文。やはり、蕎麦にだって水の良さが生きていた。

味噌、醤油醸造元の「若喜商店」ではきき醤油ができた。250年の歴史のある商店で、ここの奥座敷は有形文化財に登録されていて、珍しい縞柿(柿の木の1種)が使われている。明治38年に7代目が隠居後の楽しみとして建てたというから往時の勢いが偲ばれる。


寺町の大和川酒造の「カフェ天空回廊」では込水で造ったコーヒーと「酒チョコレートケーキ」を静かなカフェの空間でいただく。やはり、コーヒーも優しい味わいだ。

夜はもちろん日本酒。「会津田舎家」の自家製にしんの山椒漬けは逸品。ほろりと口中で溶けて、日本酒が染みる~~。
何を口にしても軟水で透明感のある飯豊山からの恵みの水が柔らかさを添えているようだ。
*らーめん一平
喜多方市松山町村松字石田1453
*小原酒造
喜多方市字南町2846
*新金忠 そば処 縁(えにし)
喜多方市南町2854
*若喜商店
喜多方市字三丁目4786
*カフェ天空回廊
大和川酒造店 ミュージアム「四方」内
喜多方市字寺町4761
*会津田舎家
喜多方市梅竹7276-2