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【香りに誘われて】「慶 和助」 未体験のご褒美満載
2024.10.10更新
【香りに誘われて】南部杜氏伝承館
道の駅「石鳥谷」に土蔵を移築復元
道の駅石鳥谷内にある「南部杜氏伝承館」を訪れた。東北本線の「石鳥谷駅」から徒歩20分、田園地帯に通った国道4号線をトボトボと歩いていくと、眼前に広がった道の駅「石鳥谷」。
その一角にある「南部杜氏伝承館」は、実際に酒蔵として使われていた土蔵を解体し、移築復元した建物だという。
南部杜氏と言えば、越後杜氏、丹波杜氏に並ぶ三大杜氏のひとつで、全国で活躍している杜氏集団だ。農閑期の副業として、単身赴任で酒造りに赴く杜氏制度は、江戸時代から今に引き継がれている。後継者問題などで杜氏数は減ってはいるが、かつての杜氏の技術を継承して酒造りをしている酒蔵は多い。
現在もこの地から、遠方の酒蔵へでかけて活躍を続けている南部杜氏集団がある。定期的に行われる南部杜氏酒造講習会では、酒造り技術の研鑽を図っている。
南部杜氏の日本酒を飲み比べ
一般人は伝承館でどれだけ南部杜氏が日本全国の酒造りに貢献しているのかが一目瞭然にわかり、掲示されたパネルでは、酒造りの基本から杜氏の給与まで把握することができる。腕の良い杜氏だと村長の年収と同じぐらいの報酬があり、農家の多くの若者は杜氏を目指したとも言われている。憧れの職業だったのだ。
嬉しいことに、ここでは数種類の南部杜氏が造った日本酒を飲み比べることができる。試飲サーバー専用コインを、なぜかガチャポンで買うという手間を経て、コインをサーバに入れて飲みたい酒を選ぶ。お猪口に八分目程の日本酒がサーバーから注がれ、お酒の説明に目を通しながら一献。酒造りの学習をしつつ、日本酒をいくつか嗜むというのも乙なもの。
外に出れば、食事もできるし、お土産も買える道の駅。敷地内には南部杜氏伝承館の他に食事処「りんどう亭」、立ち食いそば「酒蔵」や農産物直売所「杜の蔵」、お土産「酒匠館」、石鳥谷図書館や歴史民俗資料館などが並んでいる。車の運転がなければ、1日いても飽きないかもしれない。
HP: https://www.sakashokan.com/
<店舗情報: 南部杜氏伝承館>
住所:〒028-3171岩手県花巻市石鳥谷町中寺林7-25-1道の駅石鳥谷内/開館時間 : 9:00~16:30(試飲は16:00まで)/休館日 : 12月29日~1月1日/TEL : 0198-29-5768