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【香りに誘われて】 「鮭と日本酒三昧+お茶」
2025.01.25更新
【香りに誘われて】醸造の歴史を刻んできた町の香醸造の町 摂田屋地区
吉乃川ミュージアム
新潟県の長岡駅から車で10分ほどのところにある摂田屋地区。昔から醸造文化が栄えた土地として知られ、現在も「味噌」「醤油」「日本酒」の醸造所や店が点在している。
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この狭いエリアに酒蔵が2軒。ドーンと構える吉乃川ミュージアム「醸蔵」は、吉乃川(株)が、大正時代に建設した築約100年の倉庫「常倉(じょうぐら)」(国登録有形文化財)を改装して出来上がった。昔の酒造道具や酒造りの映像が見られる展示スペース、吉乃川の試飲ができる「SAKEバー」、販売所もあり、ここでしか買えない貴重な日本酒もあるようだ。
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ここから徒歩8分ほどの長谷川酒造は、こじんまりとして、杜氏と蔵人たちのほぼ手作業により、丁寧に仕込まれた日本酒が揃う。代表銘柄「越後雪紅梅」をはじめ、登録有形文化財の母屋に並ぶすべての銘柄が購入可能。こちらも試飲で飲み比べて、好みの味を選ぶことができる。
旧機那サフラン酒本舗
ちょっと変わった風情の旧機那サフラン酒本舗は、明治から昭和にサフラン酒やウイスキー、ワインを手掛けて財をなした吉沢仁太郎氏の建立物。土蔵には、左官職人がコテと漆喰で鮮やかな色彩の動物や植物を描いた鏝絵がはめ込まれている。思わずシャッターを切らずにいられない、見応えがある。
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前述の吉沢仁太郎が所有し、2300俵もの米俵が貯蔵されていた「米蔵」を改築して、2020年10月にオープンした「発酵ミュージアム・米蔵」では、地元食材を活かした料理やドリンクが楽しめ、「発酵」について学べるラボがあった。
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江戸時代から伝統の醤油や味噌を造り続ける「越のむらさき」、「星野本店」はそれぞれ昔の風情を残した店構えで、伝統の味を今に伝える。ぐるっと回って半日。漂う空気に、静かに醸造の歴史を刻んできた町の香り、味わいを感じることができる町だ。
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