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【香りに誘われて】「慶 和助」 未体験のご褒美満載
2024.10.10更新
【香りに誘われて】 SAKE&WINE tono;4122(トーノヨンイチニイニイ)
「ほやは、純米吟醸の綺麗な酒だと後の苦味をピックアップしちゃう。なので純米が一番よかった。炭酸割にして乾杯に、次に常温、お燗で色々味わっていただきました」と酒の会でのペアリングを教えてくれたのは、酒匠であり鹿児島焼酎マイスターである外岡潤子さん。
シニアソムリエでシェフのご主人と共に一軒家イタリアン「tono;4122」を営む。文京区千駄木の不忍通り沿いにあり、開店以来18年間ずっとワインだけでなく日本酒とイタリアンを合わせて提供している。知る人ぞ知る、燗酒が美味しい希少な店だ。この日マダム外岡が薦めてくれたのは次の通り。
前菜は、石巻産「へそほやのカルパッチョ」(1200円)に特別純米酒「雀と稲穂」 (米田酒造・島根県)を合わせて。へそほやはほやの根元の部分の希少部位。柔らかな食感が心地よく、ほやの甘み旨味が楽しめ、それを酒が柔らかく迎えてくれる。
「最近では日本酒、焼酎の注文が全体の4割ぐらい。日本酒は味わいの許容範囲が広く、抜栓後の保存期間がワインよりも長く味わいの変化も楽しめるのでロスも少ないですし、冷やして乾杯酒、常温は赤ワインと同じ感覚でお肉やパスタに合わせたり、魚介が入ったものは白ワインより日本酒の方がむしろ美味しかったりします。
だから全国の西洋料理屋さんは日本酒も置いた方がいい!ワインを扱っているなら、日本酒なおさらお勧めしやすく扱いやすいと思います。もしイタリアに日本酒があればイタリア人だって日本酒出してたかもしれないですよ」、と熱く語る外岡さん。
続いて「ピッツアマルゲリータ」(1100円)に、「開華純米酒」を冷酒と燗酒(第一酒造・栃木県)を添えて。
「これはトマトの酸味に合わせて選びました。冷酒ではトマトの酸味に合い、お燗はピッツアのチーズに合わせられる」とのアドバイス。トマトの赤、モッツァレラチーズの白、バジルの緑の色合いはイタリア国旗の色だと聞くが、イタリアに日本酒がなくて残念。(最近は輸出もしているはずだけれど)。
最後は「オーストラリア仔羊のグリル(2200円)と「山猿秋季限定生熟成純米吟醸無濾過生原酒」(永山酒造・山口県)。
「今日発売のお酒です。蔵の息子である30歳の若き杜氏が今シーズン初めて美山錦を使い、敢えて生熟成酒をさせたチャレンジ酒です。ふくよかな生熟成の味わいがラムと美味しいですよ」。
おっしゃる通り!お見事なマッチングだった。
店内には酒の蔵元やワインメーカーの写真が並ぶ。「酒蔵やワイナリーのファンを増やすことを一番の目標にしているので、なるべく造り手の顔が見えるお酒やワインを紹介しています。お客様にお酒と一緒に造り手の写真をお見せすることでその蔵の認知度が上がり、他にどんなお酒を造っているのか興味をもってもらえますから」と 。
外岡さんが語る彼らのエピソードは、貴重な調味料になって酒と料理をさらに味わい深くしてくれます。
コロナ禍で控えていたイベントもこれからは徐々に再開するとのこと。昨年に酒の小売り免許を取得したそうで、お気に入りの酒やワインをその場で購入も可能。
<店舗情報>
住所:東京都文京区千駄木4-1-22/ Phone: 03-3822-4124(要予約)/ 営業時間:火~土 ランチ11:30~14:00(L.O.13:30) 火~土 ディナー17:30~22:00(L.O.21:00)、日・祝日 ランチ11:30~15:00(L.O.14:30)日・祝日ディナー17:00~22:00(L.O.21:00)/定休日:毎週月曜、第三火曜日
*営業時間はご確認ください