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【香りに誘われて】ぽんしゅ館 長岡驛店
2024.08.13更新
【香りに誘われて】「慶 和助」 未体験のご褒美満載
酒や食を通じて日本中を巡れるような店
千代田線の千駄木駅から数分、団子坂を少し上がったところに、「小さな蔵の旨い酒」という提灯を掲げた「慶 和助」。店主の小学生と中学生のお子さんの名前を1字ずつ取って、「和助」と命名している。
慶を付けたのは前職の店「一心」の文字が入っていて、縁起もいいからと、大将へのレスペクトが込められている。店主である遠山涼太氏は、今年7月にこの店をオープンさせた。店内の日本地図には、あまり聞いたことのない銘柄の札が点在していた。
「10坪の店内から、酒や食を通じて日本中を巡れるような店にしたかった。有名銘柄になるべく頼らず、和助だからこその出会いの機会を作りたかった」と語る遠山氏。
20代の頃にバイトで入った和食の店で、先輩たちから日本酒の陶薫を受け、利き酒師の資格を取得。日本酒の魅力にハマって、その後は地酒専門の酒販店にて約7年を過ごす。やがて末広町にある「魚料理 一心」の大将に誘われ、18年間はここの大将の元で、接客をメインに、時に食材の仕入れから、料理までをも担当し、この度独立した。
酒造りの現場の大変さも伝えていきたい
今までに酒蔵を巡り、酒造りも体験済み。「蔵に充満したりんごを齧ってるような香りとか、忘れられない。福島県の国権さんでは洗米を体験しました。素手での手洗で、すごく大変でした。和助では酒造りの現場の大切さもお客さんに伝えていきたい」と言う。
常に店内にある日本酒は15~20銘柄。バランスよくなるように、日本酒をあまり詳しくない奥様がお酒の仕入れを担当することもある。(掲示版は奥様が毎日手書き)
「お客様には冷蔵庫から、ラベルで選んでもらうこともあります。頭で飲むのはつまらない。自分もそういう時期があって、利き酒して酒だけを見てあだこうだと言ってた。銘柄覚えられないとか、好きか嫌いしかわからないという人がいますが、それでいい。そのままいてほしい。僕は何か聞かれたら答えますが、それ以上のことは言わない」。(写真は店主・遠山涼太さんと奥様)
酒にはフラットな趣で、酒に合わせる料理は、印象に残るものをと趣向を凝らす。「口にいっぱいいれてほうばる」ことで、旨味をより感じるのだと、刺身は大きく切るし、例えばカレイは骨ごと分厚く切って、ほぐしたときにジュワリと出てくる油のうま味を感じてもらいたいと、聞いているだけで垂涎もの。
旅先での未知との遭遇に心躍るように「和助」には、未体験のご褒美が待っている。
千駄木 慶 和助(きょう わすけ)(@kyowasuke2024) • Instagram写真と動画
日本料理店「慶 和助」
文京区千駄木2-29-4TEL:03-4400-0234 (代表) 営業時間: 営業時間:17時~(お料理ラストオーダー21:30)休業日:日曜、祝日