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「若狭で「なっぱ煮」に感激した夜」
2024.10.31更新
人気ドラマ『孤独のグルメ』原作者である久住昌之さんがふらっと立ち寄ったお店、そこで嗜んだ地酒について気ままにつづります。
「有馬温泉で湯上り散歩夕飯酒」
2022.07.31
取材で有馬温泉に初めて行った。関西の温泉はほとんど知らない。
普段、一人旅の時は、朝食だけ付いた宿を取る。夕飯は、宿の周りや駅前を歩いて、よさそうな飲み屋に2軒ぐらい入って、それですます。それが楽しい。夕飯付きの宿だと、お腹いっぱいになって外飲みできぬ。
でも、今回は、朝食夕食付きの宿を取った。有馬温泉のことを何も知らないし、歴史ある宿のご飯で、地酒を飲むのもいいと思ったからだ。
そうなると、それはそれで楽しい。神戸から電車に乗って、有馬温泉に行く。
まだ日の高いうち宿に着いて、すぐに浴衣に着替えて、大浴場へ向かう。今回の宿は大浴場、というほど大きくはなかったけど、2種類の温泉があって、どちらも気持ちいい。やっぱり温泉は全然違う。ゆっくり湯に浸かって、出てきてもまだ表は明るい。夕飯にも早い。
宿の草履を履いて、近所の温泉街をぶらぶら散歩。曲がりくねった坂道にワクワクする。あの店この店、お土産屋。
「ゴーン」とお寺の鐘が鳴って、さてそろそろ帰るか。部屋に戻って、畳にごろりとしたら、お待ちかね夕食の時間だ。スリッパ履いて、階段降りて、食堂へ。
こういう流れがたまらない。
以上の過程を経てから飲む、最初のビールのうまいことと言ったら、筆舌しがたい。仕事疲れ、旅の疲れが、蒸発するようだ。食堂がよかった。カウンター越しに厨房が見え、料理を作ってる様子も見える。一人でも楽しい。しかも俺は浴衣。これは居酒屋では味わえない夕餉だ。
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