人気ドラマ『孤独のグルメ』原作者である久住昌之さんがふらっと立ち寄ったお店、そこで嗜んだ地酒について気ままにつづります。

「浅草で旅の最後に立ち寄る店」

2023.03.03

 

「家に帰って、お母さんにただいまと言うまでが遠足です」と小学校の時先生に言われた。それは大人になっても同じ、自宅に帰って玄関を入るまでが旅だ。

 日光や鬼怒川から戻る時、浅草経由になることがある。その乗り換えの時、つい浅草で寄ってしまう店がある。

 雷門にも近い「志婦や」だ。ここは本当に町の居酒屋といった感じで、地元の人が普段使いにしていて、とても居心地がいい。

 ハマグリ焼きとか、赤貝刺しとか、青柳とか、貝がおいしいことで知られているが、何を食べてもおいしい。

 ボクがいったら絶対頼むのが「みそ豆」だ。茹でた大豆に、細く刻んだ白ネギがたっぷりかかっていて、その上に青のり(アオサか)がふってあり、からしが添えてある。これに醤油をちょっとかけて、混ぜて食べる。これが本当にうまい。酒のアテにスバラシイ。刺身や剣先イカの丸焼きの横に置いて、ちびちびずっと食べていたい。

 日本酒の取り揃えも充実している。

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