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【中沢けいの酔々日記】 海鼠の醤油煮
2025.05.29更新

誌面ビミーで長年連載している中沢けい氏の「酔々日記」です。文士の筆遣いに、日本酒が気持ちよくあふれでてきます。
【中沢けいの酔々日記】 生貯蔵酒純米大吟醸
2025.02.28
森鴎 外の「渋江抽斎」の主人公、渋江抽斎は弘前藩の藩医である。江戸生まれ、江戸育ちで江戸の藩邸に出仕していたが、ある時、国元の弘前へ出ることになった。抽斎が酒の味を覚えたのは、雪国の冬をやり過ごすためだったと鴎外は描いている。酒は身体を内側から温めてくれる。

生貯蔵酒純米大吟醸と表示されたお酒を頂戴した。たいへん上等なものであるのは間違いない。これはそのへんにほっぽらかして置いてはいけないのだろうなと瓶を眺めた。酒瓶が新鮮さこそ命と言っているような気がする。やっぱり冷蔵庫に入れなければもったいないお酒だろうねと、酒瓶に向かって返事をする。酒瓶がうなずく。寒いところで育ったお酒でしょうねとつぶやく。酒瓶はそうそうとうれしそう。
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