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「若狭で「なっぱ煮」に感激した夜」
2024.10.31更新
人気ドラマ『孤独のグルメ』原作者である久住昌之さんがふらっと立ち寄ったお店、そこで嗜んだ地酒について気ままにつづります。
「名古屋・堀田で見つけた名店」
名古屋に行った。泊まったのが栄でなく、金山だったので、翌日は熱田神宮に行ってみた。ちゃんとお参りするのは初めてだ。
やはり歴史のある神社だけあって、樹齢千年の大楠を始め、その森の木々が高く色濃く、よかった。木がいいと、気がいい。いつもそう思う。初めて伊勢神宮に行った時、つくずくそう思った。
帰りにおみくじ引いたら「半吉」だった。なに半吉って。「中吉」と、どう違うのか、どっちが上なのか。
って「どっちが上」なんて言ってる時点で、俺は神様から見たら全然ダメだろう。
堀田の方にぶらぶら歩いているうちに陽が落ちてすっかり暗くなってきた。あまり店のない町に来ちゃったなー、というとこ路で遠くにポツンと赤い提灯が見え、近づくと店頭が立ち飲みになった、めちゃ渋い焼き鳥屋?もつ焼き屋?凄くイイ。
とにかく、串を食べている人が狭いカウンターにぎゅっと立っていて、入る余地はない。
でもこの感じ、吉祥寺の焼き鳥屋「いせや」の昔に似ている。オヤジ中心の客層も。コワくはないぞ。
とはいえ、全員超常連だろうから、割り込むのは気が引ける。と思って通り過ぎた。だが通り過ぎる時、奥に座敷席が見えた。入れそうな気もしたなぁ、と思いながらどんどん店から遠ざかって、200mぐらい歩いてから「いや、今入らなかったら、一生来ないな」と思って、戻った。
「すいません、二人なんですけど入れますか(その時は連れの者がいた)」
というと、満席だったが、ちょうど帰る二人組がいて、外でちょっと待って、入店できた。ラッキー。並んでまで飲まない俺だが。
座敷席に通された。古い。ほとんど、誰かの家の居間だ。「男はつらいよ」の「とらや」の座敷。あそこで飲んでるような感じ。先代の遺影とかが飾ってある。
いいなぁ、最高だ。意外にもΟL二人客とかもいた。卓にはソースのバットが置いてある。そうか、揚げ物があるのだな。じゃあ「ねぎまフライ」を頼もう。あと「とんやき」。「キャベツ」。まずはキャベツにソースをつけてかじりつつ、瓶ビール。ねぎまフライ、うまい。
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