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「三重県の知らない町へ」
2025.06.30更新

人気ドラマ『孤独のグルメ』原作者である久住昌之さんがふらっと立ち寄ったお店、そこで嗜んだ地酒について気ままにつづります。
鹿児島で半魚人の腹皮焼き
2025.04.30
仕事で鹿児島に行った。鹿児島の繁華街といえば、天文館だ。だが今回の宿は鹿児島中央駅に近かった。ここから天文館までは4市電で4駅ぐらいある。今回は2泊だったので、最初の晩はあえて天文館に行かず、歩いた事のない中央駅近くの商店街で飲み屋を探すことにした。
例によって早い時間から歩き回り、古そうなちょいと渋い店の何軒か目星をつけた。が、最終的に店構えがまだ新そうな『半魚人』という店で勝負することにした。
店の外にはなんのメニューも出ていない。ノーヒントのこの店に決めたのは、店名だ。『半魚人』といえば個人的には、楳図かずおの恐怖マンガだ。小学生の時読んで怖すぎてトラウマになった。
だがボクは20歳の時、縁あって楳図さんと2年ぐらいご一緒した。当時大ヒットしていた楳図さんの『まことちゃん』のイベントで「まことちゃんバンド」の一員としていろんな場所に出演したのだ。その話は長くなるから別の機会に。
でも楳図さんは去年亡くなってしまい、ボクは淋しくて最近も楳図さんの本をたくさん買ってしまった。鹿児島の『半魚人』は、楳図さんに呼ばれたような気持ちもしたのだ。
まだ夕方5時過ぎで、店は開いたばかりと思われる。階段を上がって入店すると「ご予約はありますか」と言われた。無いというと今夜は予約で満員ですが、7時前までならいいです、と言われた。今思うとこの時点から親切だ。
失敗覚悟だったので「小一時間で帰ります」と言うと快くカウンターに案内された。
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