人気ドラマ『孤独のグルメ』原作者である久住昌之さんがふらっと立ち寄ったお店、そこで嗜んだ地酒について気ままにつづります。

「青森の居酒屋で旨い蕎麦に出会った」

2025.05.29

仕事で青森にまた行った。この数年で5回ぐらい行っている。全部別の仕事。今回は青森市内で講演。

前日の夕方宿について荷物を下ろし、例によって下調べなく、宿の周りを「調査」。

 ずいぶん歩き回って本当に大通りから少し入った横丁ある「横丁」という居酒屋に目を止めた。

 暖簾には右から左に店名が書いてあって、だから「丁横」になってるが、その文字がなんとなく魅力的だった。メニューや値段などは表に一切出てない。店内は見えない。勝負だ。でも格子戸に何かここで長くやっている店の温かみを感じた。どこか真面目そうな感じもする。

 時間が早いこともあって、入ってすぐの4人掛けのカウンターが空いていた。奥は座敷になっていて、畳敷きだけど椅子のテーブル席。先客の6人グループが静かに宴をはじめたところのようだ。常連ぽい。

 ホワイトボードにはマグロ、ヤリイカ、ウマヅラ、海峡サーモン、オニカサゴなど地魚と思われる魚の刺身が並んでいて、うまそう。自家製鯨ベーコンや、ほやもある。この店アタリなんじゃないかと思う。

 まずはビールと「いか生干炭火焼き」「新キャベツのオイルがけ」を頼む。キャベツが大好きなので、外せない。青森のキャベツに興味津々。

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