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【日本酒聞きかじり】花冷え
2024.11.18更新
【日本酒聞きかじり】宮水
灘の宮水とは?
仕込水?
たぶん
なんで有名なの?
灘の宮水
灘の宮水にはこんな逸話があります。
江戸時代の後期、山邑太衛左門(やまむらたざえもん)という人が魚崎(神戸市)と西宮(西宮市)のふたつに酒蔵をもっていました。
ふたつの酒蔵の酒を比べるとどうしても西宮の酒蔵の酒の方が美味しくなる。杜氏や醸造道具等を交換してもやっぱり西宮の酒蔵の酒の方が優れている。
そこで、今度は西宮の水を魚崎の酒蔵へ運び、それで醸造したところ、発酵がすすみ、良質な酒となった。原因は水にあったとそこで判明したのです!
そんな噂を聞き付けた灘の酒造家の多くが西宮の水を使うようになり、「西宮の水」が略されて「宮水」と呼ばれるようになりました。四国、九州、関東までその水を運んで売る「水屋」という商売人まで現れたようです。
「宮水」を分析すると、硬水で、全国の醸造用水一般と比べても醸造に有効なカルシウム、リン、カリウム、クロール(塩素)などを豊富に含み、鉄分は極端に少ないのです。カルシウム、リン、カリウムは酵母の発酵を促進させる重要成分です。
宮水地帯のミネラルは、砂層に含まれる貝殻から補給されていると考えられています。
硬水で造られる灘の酒は酸がありキレがよい辛口酒が多いために「男酒」とも呼ばれていました。この「男酒」に比べて「女酒」と呼ばれるのが伏見(京都市)の酒です。
伏見は伏水とも書かれていたほど、良質で豊富な地下水に恵まれて「伏見の七つ井」と呼ばれる名水があります。そのひとつで古来より病気平癒の効能があるとの言い伝えがある「御香水」は、「香」のよい水が湧き出たと、清和天皇より「御香水」の名を賜ったとされています。
伏見の水は、灘の宮水よりも柔らかい中硬水です。この中硬水で造る酒には、なめらかできめ細かい味わいがあります。
<サケちゃんコレちゃん>
お酒の神様である少彦名命(スクナヒコナノミコト)をモチーフにしたキャラクター。
お酒を飲むのが大好き。
お酒造りにも興味津々。