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【日本酒聞きかじり】花冷え
2024.11.18更新
【日本酒聞きかじり】酒米って?
お酒造りに使う米は、食べる米と違うの?
食べる米でも造れるらしいけど、酒造好適米というのがあるよ。
お酒を造るのに適してる米?
そうそう。
酒米
日本酒を醸造する目的で作られている米が酒造好適米です。
「酒米」は、日本酒を造るときの原料米全般を指す言葉で、一般米も含まれます。
よい酒米は、次のような条件が当てはまります。
①精米しやすいように、大粒で均質
②吸水しやすい
③雑味を少なくするため、タンパク質が少ない
④米の中心部にある澱粉質の隙間が大きい組織「心白」が大きく、麹菌が繁殖しやすい。
酒米は北海道から鹿児島まで全国で栽培されていますが、酒造好適米の生産量1位は兵庫県です。
兵庫県では、「山田錦」「愛山(あいやま)」「山田穂(やまだぼ)」など優良な「酒米」が栽培されています。
飯米の米処としても知られる新潟県は次に続く2位で、代表品種は「五百万石」。
新潟で開発した山田錦と五百万石を掛け合わせた「越淡麗(こしたんれい)」も人気です。
3位は長野県。
「美山錦」の総生産量の半分以上が長野県産です。
岡山県は、根強いファンがいる「雄町」の総生産量のうち9割以上の生産を誇ります。
秋田県も「秋田酒こまち」をはじめ多くの酒米を生産しています。
山形県のオリジナルの酒米「出羽燦々(でわさんさん)」もよく知られています。
「雪女神」は、「山形県産米100%で世界に誇れる高級な日本酒を製造したい」という蔵元の要望に応えるべく開発されました。
福島県の「夢の香」は、八反錦1号を母、出羽燦々を父として生まれ、「五百万石」同様の心白を有します。
さらに吟醸酒に向く新品種「福乃香(ふくのか)」も注目されています。
百花繚乱、各県でさまざまな酒米が開発され、酒の味わいに幅が出てきています。
ただ、ワインにおけるブドウの品種などと違って、「酒米」によって日本酒の味わいのすべてが決まるわけではありません。
同じ酒米を使っても、酒蔵によって異なります。
造り手の想いやそれに伴う技術によって、日本酒はどのようにもなります。
ここが日本酒たる所以です。
日本酒の楽しみ方は無尽蔵にあるわけです。
お酒の神様である少彦名命(スクナヒコナノミコト)をモチーフにしたキャラクター。
お酒を飲むのが大好き。
お酒造りにも興味津々。