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「博多で飲み直し酒が、楽しいことよ」
2026.02.27更新

人気ドラマ『孤独のグルメ』原作者である久住昌之さんがふらっと立ち寄ったお店、そこで嗜んだ地酒について気ままにつづります。
「ロケ先で日本酒をご馳走になった」
「孤独のグルメseason 11」が4月3日から始まった。番組のラストにある「ふらっとQusumi」のコーナーも3年半ぶりに復活。
2~3分の枠なので、松重豊さんが演ずる本編とは別の日に、少人数で収録する。なんの緊張感もない気楽な撮影。
今回その第一回は藤沢市の駅から徒歩40分の住宅街にある食堂だった。
もちろんその店に行くのもそんな土地に行くのもボクは初めて。スタッフはよくそんな食堂見つけてきたなと思ったが、実に「孤独のグルメ」っぽい店だった。
店に入るとまだ開店2年目だそうで母とまだ若い娘二人で切り盛りしている。メニューが魚中心というのはやはり海に近い藤沢という土地なればこそである。「鯖の味醂干し焼き定食」なんてなかなか都内の食堂にはないシブいメニュー。
お客さんはほとんど地元の常連さんばかり。立地的にそれはそうだ。昼から通しでやっているが、夜ともなれば飯の前に一杯、という客も少なくないというが、「イカの一夜干し」や「塩辛」なんてのがあれば、飲兵衛なら酒を頼むのを我慢できないだろう。
ボクの収録は10分もあれば終わる。だがスタッフはボクが食べた料理の物撮りや、それを作っている様子、店の外景など、いろいろ撮影しなければならない。
ボクは自分の出番が終わったら帰ってもいいのだが、この店は何しろ駅から徒歩40分だ。スタッフの物撮りが終わるのを待って、ロケバスで一緒に帰る、ということになる。
そうなると、「じゃあ、みんなを待ってる間に、定食のおかずで一杯」ということになる。そう来たら店のお母さんも飲ませたいわけです(お母さんも酒好き)。

それで「つぶ貝串」なんて焼いてもらっちゃって。そしたらもう日本酒だ。まだ真昼間なのに。棚を見たら「八海山」とか「緑川」とかボクの好きな新潟の酒ばかり。お母さん、冷蔵庫からとっておきの「緑川ゆららか」を出してくれまして。これがまたうまい。必死で働いているスタッフを横目に飲むのが、申し訳ないが、タマラナイ。この背徳感が。

「アサリのバター焼き」も最高。さらにお客さんに言われてできたメニューという「オクラ納豆生イカ入り」がおいしいのなんの。これはごはんのおかずにもいいけど、もっちろん日本酒のアテにも超よろしい。

そしてこの店の豚汁が変わっていて、豚肉がなんと挽肉。これは初めて食べた。どうかなと思ったが、うまい。ちょいと味噌味が濃くて、おかずにもなるが肴にもなる。熱い汁もんで飲む冷酒ってのがまたこたえられん。嫌になっちゃうね。って、ちっとも嫌じゃないんだけど。
最後はこの豚汁にやわらかいうどんを入れたので、これで締めました。その頃スタッフの撮影も終わり、ロケバスに便乗して帰りましたが、藤沢から都内まで長い道のり、と思ったらあっという間に寝オチしました。
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