新ブランド【九尾】、Vtuberとのコラボ等話題の企画を打ち出す酒蔵＜中の人＞にインタビュー！

どうすれば若い人に日本酒の魅力を知ってもらえるんだろう、と考えたときに、自分が好きなVtuberのメイン層がだいたい１０代から３０代ぐらいでした。ちょうど私たちが拡げたい年齢層と合致するので、Vtuberさんとのコラボの企画をあげたというところです。

はい。個人的にいろいろな方を観させていただいていたんですが、それを仕事にもってくると公私混同になってしまいそうで、いいのかな～～と思いながら、恐る恐る企画を社長にあげていきました。

実はコラボする前から、栃木県で活躍しているVtuberの方々がレビューとかあげてくださっていて、たまに蔵元に遊びにきてくれたりしていて、社長もVtuberについての認識はあったんです。ただ実際、観ているわけではないので、コラボしてどうなるかといった不安はあったと思います

発売の初日は凄かったです。うちの繁忙期は12月ですが、金額でいったらこの繁忙期に追いつけるぐらいでした。コラボしたVtuberや応援している人たちが、一緒にいろんなところで宣伝してくれて、自分たちの思っている以上に天鷹酒造の名前を広めていただきました。ありがたい限りです。

私が軽い気持ちで公募しました。応募してくださるのが１０名ぐらいだったらいいなと思っていたんですが、実際公募の記事をあげたら１万を超えるいいねをいただきました。会社が終わって家に帰る間に、上司から凄いことになってるよってラインが入ってきて。家に帰ってみたら、いいねが１０００近くなってました。エライことになったなって。自分の想像を上回って、あれよあれよという間にバズリました。ありがたかったのは、うちのことをそれで知ってくださった方がいて、それを通してうちのお酒を知ってくださって、その後も 飲んでいただいてる。Vtuberもそのファンの方もいいなと思っていただけるような企画を考えたいと真剣になりました。

全部で、１００を軽く超えるような方々から応募がきて、１人にしぼれなくて、５名になりました。アーカイブやtwitterなどの活動内容を見て総合的に判断して、選ばせていただきました。基準はお酒が好きなことですが、なかには、ご自分は酒強いぜとか、一晩に一升瓶あけたとか、酒豪自慢みたいな方がいたのですが、そういうことではなく、お酒が好きだから一緒に飲む人を増やしたいという気持ちがある方を選ばせていただきました。お酒がほとんどのめない方もいて、初心者の自分が初心者に向けて発信したいといった人もいらっしゃいました。

個人的には一番の特徴は双方向なコミュニケーションができることだと思っています。配信しながら一緒にゲームしたり歌っている、お酒飲んだりして、そのコメントにVtuberが返してくれる。イメージは友達がゲームしているのを横で見てる、といった感覚に近い。テレビのように与えられているのではなく、一緒に参加している感覚が強いと思います。

５種類ともオリジナルのお酒で、使った米が栃木県オリジナル酒米の「夢ささら」と「とちぎ酒１４」、さらに栃木の酵母を使ってオール栃木で造りました。味わいは、純米吟醸にして香りがある程度華やかで、飲みなれていない方が重いと感じないように、最初の口当たりがちょっと甘い感じで最後のキレはしっかりと天鷹らしくださせていただきました。
暑くなってくると原酒はしんどいところがあるんですが、飲み方としてロックや炭酸水やトニックウォーターで割っても崩れない酒質。
日本酒って思っている以上に自由に飲んでいいんだよ、というのを知っていただける酒質を目指しました。

トータル1500本です。既に完売している商品もあって、8月31日をもって終了となります。

SNSに関しては皆さんに楽しんでいただくように、心掛けています。堅苦しくならないよう、【九尾】はセカンドブランドとして自由にやらせていただいていています。うちだけでなくて他の蔵元さんとも仲良くやらせていただいて、日本全国で日本酒の関係者の方がいろいろやっているので、【九尾】も日本酒全体の活性化に役立てればいいなと。先日も他の蔵元さんの会に参加しました。天鷹のアカウントは違う者がやってます。まじめなところはそっちでやっていただいて、私は自由にやらせていただいてます。

いろんな酒蔵さんが実験のお酒をだしているので、うちも皆さんが飽きないで楽しめるようにやっていきたい。新しい【九尾】の企画もすすめているところです。

去年の年末ぐらいから通年商品四割八分をだしています。その通年商品ができて一本筋ができたところで、その他の醸造酒もありかなと。土台が整ってきたところで、日本酒じゃない方面も造っていく可能性が出てきた。日本酒じゃなくても大丈夫といった覚悟ができて、今までと違った形で伝えていきたいですね。

商品企画は、営業部と蔵の人間、詰め場の人にも会議に参加してもらって。蔵の人間が造りたいというのも重要だけど、他の部署の者のこういうの飲みたいといった意見も重要で、 ブレーンストーミングのように、次々にアイデアをいろんな部署から出してもらっています。今後も【九尾】にご期待ください。